大切な人やペットの骨壷を優しく包み込む「骨壷カバー」は、手編みで温かみのある仕上がりにしたいと考える方が増えています。
この記事では、「骨壷 カバー 手編み 作り方」をはじめ、型紙や編み図の活用方法、かぎ針での編み方、巾着タイプや筒状などさまざまな形状に対応した作り方を詳しく解説。
人間用からペット用、赤ちゃん用まで、それぞれのサイズや宗派(浄土宗など)にも対応した、ハンドメイドで心を込めて作れる骨袋や納骨袋のアイデアをご紹介します。
この記事でわかること
- 骨壷カバーに適した素材やサイズの選び方
- 型紙や編み図を使った骨壷カバーの作り方
- 巾着や丸底など形状別の手編みのコツ
- 人間用・ペット用・赤ちゃん用のカバー作りの注意点
骨壷カバーの手編み作り方を始める前に確認したいこと
骨壷カバーを手編みで作る前に、まずは基本的な知識を押さえておくことが大切です。
使用する骨壷のサイズや人間用・ペット用の違い、さらに素材選びのポイントまで、事前に確認すべき点を理解しておくことで、スムーズにハンドメイド作業を進めることができます。
また、納骨袋や骨袋との違いや、宗派による慣習の違いにも触れておきましょう。
骨壷カバーの基本サイズと選び方
骨壷カバーを編む際に、もっとも悩みやすいのが「サイズ選び」です。ぴったりと収まるように仕上げるには、骨壷のサイズを正確に把握することが第一歩となります。
一般的な骨壷のサイズは「寸(すん)」で表され、よく使われるサイズは4寸〜7寸程度です。たとえば、ペットや赤ちゃん用には3寸〜4寸、人間用には5寸〜7寸が多く使用されます。お手元にある骨壷が何寸かを確認し、それに合わせてカバーのサイズを調整しましょう。
手編みの良いところは、自由にサイズ調整ができること。編みながら実物に当ててみたり、メジャーで測りながら進めれば、ぴったりのフィット感を出すことが可能です。もし実物が手元にない場合でも、インターネット上に「骨壷サイズ表」が多数公開されているので、それを参考にすると安心です。
また、骨壷の形状によってもカバーの編み方が変わります。丸型・角型・筒状など、形が違えば必要な目数や段数も異なるため、事前にしっかり確認しましょう。サイズをしっかり計測しておくことで、失敗の少ない、美しくフィットしたカバーを作ることができます。
人間用とペット用で異なるポイント
骨壷カバーを手編みする際、人間用とペット用ではいくつか異なるポイントがあります。それぞれの特徴や用途を理解しておくことで、より心を込めたカバー作りが可能になります。
まず大きな違いは「サイズ」です。人間用の骨壷は5寸~7寸が主流で、比較的大きめなサイズになります。一方で、ペット用は犬猫などの種類によってまちまちですが、3寸~4寸程度の小型サイズが多くなっています。したがって、カバーの大きさはもちろん、使用する糸の量や編み時間にも差が出ます。
また、デザイン面でも意識するポイントがあります。人間用のカバーは落ち着いた色味や和柄、シンプルな装飾が好まれる傾向にあり、宗派や家族の意向に合わせるケースもあります。反対にペット用では、明るくかわいらしいデザインや、足跡やリボンモチーフなどを取り入れた自由なアレンジも人気です。
さらに、思い出として長く保管されるケースが多いため、どちらの場合も「洗える素材」や「型崩れしにくい編み方」を選ぶと良いでしょう。それぞれの大切な存在にふさわしい、ぬくもりある一枚に仕上げてください。
骨壷カバーに適した素材と糸の種類
手編みの骨壷カバーを美しく、長持ちさせるには「素材選び」がとても大切です。編みやすさだけでなく、見た目や触り心地、そして用途に合った耐久性も考慮する必要があります。
もっとも一般的なのは「アクリル糸」と「コットン糸」です。アクリル糸は軽くて丈夫、さらに洗濯にも強いため、骨壷カバーには非常に適しています。特に初心者にとっては扱いやすく、色のバリエーションも豊富なのでデザインの幅も広がります。
一方、コットン糸はナチュラルでやさしい印象を与えてくれるため、故人やペットへの想いをやさしく包むカバーに最適です。ただし、少し伸縮性が少ないため、編む際にはサイズ調整に注意が必要です。
ウール素材は保温性が高く柔らかいですが、毛羽立ちやすい点と、虫食いのリスクを考慮すると、保管場所によっては注意が必要です。装飾に使用するレース糸やリボンも、あくまで全体との調和を意識して選ぶことが大切です。
肌触りや扱いやすさだけでなく、保管や使用の場面も考えて選ぶことで、より心地よい、長く使える骨壷カバーに仕上がります。
骨袋や納骨袋との違いとは?
骨壷カバーと混同されやすいものに「骨袋」や「納骨袋」がありますが、それぞれ用途や構造が異なります。納骨袋は火葬後の遺骨を一時的に納める布袋で、主に納骨のタイミングまで使用されます。素材は不織布など簡易的なものが多く、使い捨てに近い印象です。
一方で骨袋は、骨壷を包むための布袋で、仏壇やお墓に納める際に用いられるもの。こちらは比較的丈夫な布製で、装飾性もあり、宗派に応じた柄が使われることもあります。
それに対して「骨壷カバー」は、骨壷を装飾的に、そしてやさしく包むためのアイテムであり、近年は手編みで作る人も増えています。ハンドメイドならではの温もりや想いを込められる点で、他の袋類とは一線を画します。
浄土宗など宗派による違いもチェック
宗派によって骨壷やその扱いに違いがあることは、意外と知られていません。特に浄土宗では、白を基調としたシンプルな納骨袋や骨壷が好まれる傾向があります。
骨壷カバーを編む際も、その宗派の習慣に合わせてデザインや色合いを調整すると、より心に寄り添う仕上がりになります。たとえば、浄土宗では白・紺・紫といった落ち着いた色が好まれ、極楽浄土を意識した装飾が好まれることもあります。
手作りであるからこそ、こうした宗教的な背景にも配慮することで、ご家族にとって納得のいく一枚を提供できるでしょう。
骨壷カバー 手編み 作り方の手順とコツ
実際に骨壷カバーを手編みする際には、必要な道具やかぎ針の選び方、形状に応じた編み方の工夫が欠かせません。
筒状や袋状、巾着タイプなど、用途やデザインに合わせた作り方を知っておくことで、より完成度の高い仕上がりになります。
ここでは、型紙や編み図を活用した効率的な編み方から、赤ちゃんやペット向けのサイズ調整のポイントまで、実践的なテクニックを詳しく紹介します。
手編みに必要な道具とかぎ針の種類
骨壷カバーを手編みする際は、まず必要な道具を揃えることが重要です。どんな作品を作るかに関わらず、基本の道具が手元にあることで、作業効率が格段に上がります。
まず、主役となるのが「かぎ針」。糸の太さに合ったサイズを選ぶことが成功のカギです。一般的には5号〜7号のかぎ針が、骨壷カバー作りに適しています。糸は中細~並太のアクリル糸やコットン糸が人気で、やわらかな風合いと扱いやすさが魅力です。故人やペットのイメージに合わせて、色や質感を選ぶのも手作りならではの楽しみでしょう。
他には、糸を切る「ハサミ」、編み終わりを処理する「とじ針」、目印をつける「ステッチマーカー」、サイズを測る「メジャー」などもあると便利です。特に初めて編む方は、これらを事前に揃えておくと、途中で手が止まることなくスムーズに作業できます。
シンプルな道具でも、気持ちのこもった骨壷カバーを丁寧に仕上げることができます。しっかりと準備をして、心を込めた手編みに挑戦してみてください。
袋状・筒状など形状別の編み方ポイント
骨壷カバーを手編みで作る際に迷うのが「どんな形で編むか」という点です。代表的なのが「袋状」と「筒状」の2パターンで、それぞれに特徴と編みやすさがあります。
袋状のタイプは、底から丸く編み始めて、骨壷全体を包むように仕上げていきます。口の部分はひもでしぼって巾着型にするのが一般的。底をしっかり安定させるためには「丸底」を採用し、目を均等に増やしながら円形を保つのがコツです。この形は、持ち運びや収納にも安心感があり、多くの方に好まれています。
一方の筒状タイプは、側面を真っ直ぐに編み上げ、後から底を縫い合わせるスタイルです。袋状に比べると構造が単純なので、初心者にはこちらがおすすめです。また、編み図がなくても感覚的に仕上げやすく、サイズの調整もしやすいのが魅力です。
どちらの形状にもそれぞれ良さがあるため、用途や好みに合わせて選びましょう。形を決めておくことで、材料選びや編み方の見通しが立ちやすく、より理想に近い仕上がりが期待できます。
型紙や編み図を使った効率的な作り方
骨壷カバーをきれいに、そして効率よく編みたい場合は、型紙や編み図を活用するのがとても効果的です。手編みに慣れていない方でも、視覚的に手順を確認できるので、迷わず進めることができます。
まず「編み図」とは、編み目や段数、増減のタイミングなどを記号で示した図のことで、初心者から上級者まで幅広く利用されています。骨壷カバーに適した編み図を選ぶときは、サイズ感や形状(袋状か筒状か)を確認し、自分が作りたい形と合致しているかを見極めましょう。最近では無料でダウンロードできる編み図も多く、Pinterestやハンドメイド系のブログから見つけることができます。
「型紙」は布作品でよく使われますが、手編みの際も、サイズ感をつかむための参考として有効です。たとえば紙で簡単に骨壷サイズの円や筒型を作っておくと、編みながらその上に重ねてチェックできるので、仕上がりをイメージしやすくなります。
特にプレゼント用やお別れのセレモニーなどで使用する場合、見た目の美しさも重要になります。型紙と編み図をうまく組み合わせることで、作業効率が上がり、より完成度の高い骨壷カバーを手作りすることができるでしょう。
巾着タイプや丸底デザインの応用例
骨壷カバーをオリジナルに仕上げたい方に人気なのが、「巾着タイプ」や「丸底デザイン」の応用です。どちらも手編みとの相性がよく、シンプルな基本構造にちょっとしたアレンジを加えるだけで、ぐっと個性が出せます。
巾着タイプは、口部分をひもで絞れるようにするスタイルです。本体は筒状や袋状に編んでおき、最終段に「ひも通し口」を作ってリボンやコードを通します。紐の素材も工夫すれば、よりナチュラルで温かみのある仕上がりになります。使うシーンに合わせて開閉できるので、利便性の高さも魅力です。
丸底デザインは、底から丸く編み始める方式で、骨壷の形にぴったりフィットします。増し目の数を均等に調整することで、美しい円形が作れます。底から立ち上げていく過程で段ごとに模様を変えたり、色を切り替えることで、世界にひとつだけのデザインが完成します。
応用を加えることで、単なる“カバー”ではなく、故人やペットへの想いを込めた「特別な包み」に変えることができます。少しの工夫で、より心のこもった作品に仕上げてみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんやペット向けに作る際の注意点
赤ちゃんやペットのために骨壷カバーを手編みする際は、通常のものとは異なるいくつかの配慮が必要です。サイズやデザインはもちろん、素材や仕上げにも心を配ることで、やさしく温もりのある仕上がりになります。
まず大前提として、骨壷自体が小さいことが多いため、カバーもコンパクトになります。そのため、細かい編み目で丁寧に仕上げることが大切です。粗い編み目だと、中が見えすぎてしまい、美しさや品が損なわれることもあるため、かぎ針のサイズや糸の太さには注意が必要です。
また、糸の素材にも気をつけましょう。ウールは見た目の温かみがありますが、アレルギーの可能性や毛羽立ちが気になる場合は、コットンやアクリル系の柔らかい素材を選ぶと安心です。肌に優しい天然素材や、手触りが滑らかなものがおすすめです。
さらに、赤ちゃんやペットの場合は、家族にとってとても繊細な存在。カバーに飾りをつけたい場合も、華美になりすぎず、やさしい色合いやシンプルなモチーフにすることで、心が落ち着く印象を与えてくれます。気持ちに寄り添う、やさしい一枚を心がけたいですね。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 骨壷カバーを手編みする前にサイズや用途を確認しておくことが重要
- 人間用とペット用では適したサイズやデザインが異なる
- 骨壷カバーには通気性や風合いを重視した糸や素材が向いている
- 骨袋や納骨袋との違いを理解して用途を明確にする
- 宗派(浄土宗など)による作法や慣習にも配慮することが望ましい
- かぎ針や毛糸など必要な道具は事前に準備しておく
- 筒状や袋状、巾着など形状別に編み方を工夫する
- 型紙や編み図を使うことで初心者でも安心して取り組める
- 丸底デザインなどでオリジナリティを出すことも可能
- 赤ちゃんや小さなペットにはサイズ調整を行うことが大切
骨壷カバーを手編みで作ることは、大切な人やペットへの想いを形にする温かな作業です。素材選びから形状、宗派ごとの配慮までを丁寧に考えることで、心のこもったカバーが完成します。手間を惜しまず、思い出を包み込むような優しい一品を、ぜひ手作りしてみてください。